デイサービスで看護師に求められるスキル

冷静な判断力

まず、予期せぬ事態になった場合にも冷静に判断する力が求められます。看護師は利用者の入浴や運動が可能かどうかを判断するためにバイタルチェックを行いますが、相手は高齢者なので持病を持っていることが多いです。そのため、デイサービスに着いたときは元気そうでも、急に容態が悪くなることがあります。その際には、そのまま帰宅させるか救急車を呼ぶかを判断しなければなりません。医師が常駐していないところが多いので、医療の知識があるのは看護師だけという場面も少なくありません。介護サービスの提供がメインとなるデイサービスですが、もしものときには医療従事者としての適切な判断が求められます。利用者に異常はないか、あるいはその兆候がないかを常に意識して業務に取り組む必要があります。

コミュニケーションスキル

病棟勤務では様々な処置や対応に追われて患者と接する時間があまりとれません。その点、デイサービスは利用者としっかりコミュニケーションをとる時間があります。事前に誰が来るのかを把握しているので、余裕を持って接することができます。そのため、利用者との距離を縮めやすい傾向がある一方、それぞれの利用者に対して適切なコミュニケーションをとるスキルが求められます。時には利用者から厳しい言葉を投げかけられることもあるでしょう。そういったときにも、人生の先輩である利用者に対して敬意を持って接する姿勢が必要です。

協力・連携する意識

デイサービスには介護士やケアマネジャーなど介護分野のスタッフが働いています。利用者やその家族に安心して利用してもらえるように、介護スタッフと協力してデイサービス運営にあたっていかなければなりません。そのため、他のスタッフと協力・連携するスキルが求められます。職種は違えど、同じ施設で働く仲間であることには変わりません。お互いに支え合うという意識を持って働くことで、結果として質の高いサービスの提供につながります。

接遇スキル

現在日本にはデイサービスが72,300ほどあると言われています。介護サービス事業所の中でもデイサービスが占めている割合は多く、各施設は利用者獲得のために様々な取り組みを行っています。そのため、介護サービスの提供だけではなくサービス精神や接遇スキルが求められます。患者ではなく利用者、さらにいうと「お客様」という感覚を持つ必要があるかもしれません。とはいえ、過度に利用者の機嫌をうかがうような態度を求められるわけではありません。丁寧な言葉遣いや笑顔などの基本的な部分を意識しましょう。